日本写真学会のあけぼの ─大阪有志の会「寫眞科學會」の会報-
要旨
1926 年に設立された日本写真学会は2016 年の本年90 周年の節目を迎えた.学会創設以前大阪において,「寫眞科學會」
という十数人の有志のグループが活動をしていたという記録はあったが,その実態に関しては不明であった.今回学会事
務局長を通じて,貴重な当時の会報を入手することができた.本報では,「寫眞科學會」の会報から同グループの活動を
紹介すると共に,日本写真学会のあけぼの期である大正時代の写真界の活動を振り返ってみる.
1.はじめに
2.大正時代の写真界
2.1 アマチュア写真界
2.2 写真感光材料の国産化の礎
2.3 写真に関する教育
3.写真学会の設立
3.1 大阪の「寫眞科學會」の創設
3.2 東京写真学会の設立(1926年、大正15年)
3.3 「日本写真学会」への移行(1933年、昭和8年)
4.おわりに
参考文献
①日本写真学会誌16巻2号(1953),鎌田弥寿治,「日本写真文化史(Ⅰ)」
②日本写真学会誌17巻2号(1954),鎌田弥寿治,「日本写真文化史(Ⅱ)-写真教育について」
③日本写真学会誌19巻1号(1956),鎌田弥寿治,「日本写真文化史(Ⅱ)」
④日本写真学会誌37巻2号(1974),菊池真一,「日本における写真教育」
⑤日本写真学会誌52巻6号(1989),大場成一,「日本写真工業の夜明け」
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